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  • パーキンソン病
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パーキンソン症候群

パーキンソン病治療薬


パーキンソンの漢方薬

薬剤性パーキンソニズム

大脳基底核

ドーパミン



パーキンソン病の漢方薬
黄連解毒湯


芍薬甘草湯
  1. 小承気湯」《大塚敬節》
  2. “57歳の農夫。
    病歴、患者は生来著患にかかったことなく、元気であったが、約半年ほど前から、めまい・頭痛・不眠・手足のシビレ・肩こりが起こり、次第に手が硬くなり、力が入らなくなったので、某国立大学の付属病院で診察を受け、神経症との診断を受けた。ところがその後、歩行困難・手のふるえが起こり、字が書けなくなり、靴のひもも結べなくなったので、上京して、某国立大学の付属病院の神経科で、診察を受け、パーキンソン病と診断さられたが、特別の手当は受けなかった。
    現症、栄養は中等度で、骨格のよい男子で、息子に助けられて診察室に入ってきたが、その歩行の格好や全身の姿勢から、一見してパーキンソン氏症候群の印象を与えるほど定型的な外観を呈していた。両手には絶えず振顫があり、手の指は強ばって握ることが出来ない。自分の手でシャツのボタンを外すことが出来ない。項部の筋肉は強ばって動かし難い。脈は浮大で血圧130-86、大便は秘結する
    診断。パーキンソン病。治療は小承気湯を20日分与える。ただしその分量は1日量、厚朴12.0、枳実3.0、大黄1.5。
    経過。20日分を服用し終わった時、振顫は著しく減じ、手の指が少し曲がるようになった。そこで、次の20日分は厚朴14.0、枳実3.0、大黄2.5を1日量とした。この20日分を服用し終わった時、患者は1人で来院したが、その時は靴のヒモも、自分で解いたり、結んだり出来るし、振顫も左手に少し残っている程度になった。しかし握力は十分に発揮出来ず、力一杯に握れない。この日は前方に更に、芍薬4.0、甘草2.0を加えて、20日分を与える。則ち小承気湯芍薬甘草湯である。これを飲み終わって来院した患者は、先日の薬で大変よく眠れるようになり、便通がとても気持ちよく出るようになったという。しかし左手の振顫とシビレがまだ少しある。けれども鎌を握ってイネを刈ることが出来たと喜ぶ。3月には振顫は全くなく、ペンで自分の住所姓名をかくことが出来た。この日の筆跡を発病間もない頃の筆跡に比べると、それよりもよく書けている
    《大塚敬節》


真武湯


川芎茶調散


続命湯


釣藤散


八味地黄丸


半夏厚朴湯


補中益気湯


抑肝散
  1. 現在62歳、50歳半ばから緊張すると右手が震えるようになり、文字が書きづらくなりました
  2. パーキンソン病との診断を受け、初めは薬がよく効きました。しかし次第に効き目が落ち、今は薬の種類も量も増え、何もする気にならず将来を悲観しております。」
     「パーキンソン病の原因はドーパミンという神経伝達物質の減少によるとされている
  3. 几帳面な性格で長く神経を張りつめて仕事をし続けてきた人に多い傾向がある。
    筋肉の固縮や振戦、寡動など中核症状のほか質問者は「怒りっぽくなった」「万事にイライラする」「いろいろ考え眠れない」「ボケたような感じがする」など種々の症状を訴えている。こうした症状は漢方では「肝」の機能異常と考え治療することが多い。
    もっともよく用いられる漢方薬は抑肝散で「肝」の緊張を抑える。中核症状にはドーパミンの補充療法が適しているが、周辺の種々の症状には漢方治療が優れている
    一般には抑肝散に筋肉の緊張の調節や運動障害の調節のため芍薬や厚朴を加えることが多い
  4. 気力・体力の衰えが目立つ場合は、抑肝散加陳皮半夏湯を用いたり、補中益気湯や新陳代謝を盛んにする附子を含む真武湯なども用いられる。1999.2.8《日本経済新聞》


抑肝散加陳皮半夏 



抑肝散加陳皮半夏陳久散


六君子湯





パーキンソン (PD)
PD=Parkinson's disease


パーキンソン病は、
脳の黒質に異常が起こり、ドパミンという神経伝達物質が減少し、大脳にある線条体からの指令がうまく伝わらなくなり、動きが不自由になる病気


ドパミンが減ってアセチルコリンが相対的に増えると、運動指令がうまく伝わらなくなり動きがおかしくなります


進行すると寝たきりなることが多い

神経伝達物質のドーパミンを作る神経細胞が変性・死滅するため発病する

間脳性の症候群で、錐体外路症候を主徴とする


運動機能が衰え、手足のふるえや筋肉の硬化が起き、寝たきりになる患者が多い

この病気の家族歴がある患者は5%に過ぎないので、環境要因の関与が疑われている





発症前からでる-特徴的な症状
パーキンソン病では、
脳の神経細胞内に「α-シヌクレイン」と呼ぶタンパク質が集まって線維化することが発病にかかわるとされる。


ニオイを感じられなくなる嗅覚障害
  • 嗅覚障害が起こるのは、αシヌクレインタンパク質が脳の嗅覚に関係する部位の「嗅球」に最初にたまりやすいため。


便秘
  • αシヌクレインが腸管にたまると便秘を招きやすくなる。


レム睡眠行動障害
  • さらに、寝ているときに夢の内容にあわせて体が動いてしまう








(自己チェック)
手足などにふるえ やこわばり


動作が遅くなる


歩行が小刻みになる


最初の一歩を出にくい・・・・すくみ足


前のめりで突進し、止まらない


バランスがとれず、転びやすい


早口で小声
  • 話し相手が何度も聞きなおすようになる


文字が小さく見える


飲み込みにくくなる


表情が乏しくなる


便秘がち






パーキンソン病の症状
運動機能
が衰える
●手や足がふるえる

両手を前に差し出し、手のひらを下に向ける実験をすると、


*本態性振戦では微妙にふるえ始めるが、

*パーキンソン病
ではヒザの上に置いた手が指先で何かを丸めるように震える


●筋肉が硬くなったようにみえる

●歩きだすときに足が出にくい

(一歩が出しにくい)

●坂道の下りで止まりにくい

●体が前屈みになっていて、歩きにくい(腰が極端に曲がる)

●手先のこまかい動作がぎこちない
(動きがにぶい)

自律神経
症状
夜間の頻尿
便秘
・立ち上がったときにふらつきを感じる


睡眠障害 ・眠りが浅くなる、

・ねつきが悪くなる

・足の不快感で眠れない

精神症状 ●ウツ症状、

無関心


不安感

幻想

妄想が現れる
認知機能 記憶力や注意力が低下
考えがまとまらない





腰が曲がる
2011年、産業医科大学(北九州市)は、脊髄に直接、微弱な電気刺激を加えることで、

パーキンソン病患者に多く見られる

腰が極端に曲がる症状
を改善できた
とする研究結果を発表。



魚住武則・産業医科大医師によると、外科手術で皮下に電気コードを埋め込み、脊髄に微弱な刺激を加える治療法で、従来は腰痛緩和の目的で行っている。

2010年秋以降、腰曲がりの強いパーキンソン病患者13人を対象に臨床試験を行った結果、腰痛緩和に加え、姿勢改善効果が多いことが全員で確認された





パーキンソン病(PD)の特徴
振戦
(tremor)
大脳基底核内に終止していて神経伝達物質のドパミンを放出するニューロンが変成するため、骨格筋の不随意的収縮が随意的運動を妨害し、筋の収縮と弛緩が交互に起こってふるえを引き起こす
筋強剛 筋緊張が非常に亢進し、関連した身体部位の固縮を引き起こす
運動緩徐
(bradykinesia)
運動の動作も障害され、病状が進行すると、
  • ヒゲそり
  • シャツのボタンかけ
などの動きがぎこちになり、時間がかかるようになる
寡動
(hipokinesia)
手書きの文字が、
  • 小さくなり
  • 変な形になり
  • ・判読不能になっていく
ペンギンが歩く姿に近くなる。
  • 歩幅が狭く
  • ずり足になり
  • 腕の振りは小さくなる
流涎 わずかに口を開いて
よだれを止められない
仮面様
顔貌
顔面筋の固縮から、パーキンソン病の顔貌は、能面様で、顔面筋は硬直し、運動少なく
意識は明瞭であるのに、表情がなくなる

これを
仮面様顔貌(mask-like face)という
その表情の特徴は、
目を大きく見開いて、まばたきをしないで凝視する
膏顔 皮膚の皮脂腺の分泌が多いために、脂ぎった光沢を帯びており、これを膏顔(salve face)という










ヤール重症度分類
1度 症状が片方の手足のみの状態で日常生活への影響はまだ極めて軽微。

ふるえ
が体の片側のみ。
2度 症状が両方の手足にみられるが、まだ障害は軽く、日常生活は多少の不自由はあっても従来通り可能であり、歩行障害はないかあっても軽微である。

ふるえ
が体の両側でおきている。
3度 症状が両方の手足にみられ、典型的な前屈姿勢小刻み歩行がみられる。
日常生活は自立しているが、職種の変更などかなりの制約をうけている。
4度 両方の手足に強い症状があり、歩行は自力では不可能であるが、支えてもらえば可能である。
日常生活でもかなりの介助を要する。
5度 ベッドまたは車椅子の生活で、ほとんど寝たきり。
全面的介助を要する。
  • 治療方針を立てるとき、公費負担の申請をするときに必要な分類です。
  • ヤールの分類で3度以上になると、医療費の補助が受けられます。




生活機能障害度
(厚生労働省)
HoehnとYahrの重症度分類
Ⅰ度
  • 日常生活、通院に、ほとんど介助を要さない
StageⅠ
  • 一側性障害で片側だけの振戦、強剛を示す。
  • 軽症例。
StageⅡ
  • 両側性の障害で姿勢の変化がかなり明確となり、振戦、強剛、無動とも両側にあるため、日常生活がやや不便である。
Ⅱ度
  • 日常生活、通院に、介助を要する
StageⅢ
  • 明らかな歩行障害がみられ、方向変換の不安定など、立ち直り反射障害がある。日常生活動作障害もかなり進み、突進現象もはっきりとみられる。
StageⅣ
  • 起立や歩行など、日常生活動作の低下が著しく、労働能力は失われる。
Ⅲ度
  • 日常生活に全面的な介助を要し、起立不能
StageⅣ
  • 完全に動作不能状態で、介助による車椅子移動、 または寝たきりになる。




(線条体)
日常のなにげない生活動作や運動が、意識しなくともスムーズにできるように指令を出しているのが、線条体


線条体には種々の神経伝達物質が集まっています。


ドパミンアセチルコリンのバランスが保たれていると、線条体からの指令がスムーズに大脳皮質に伝わります。





脳障害にミノサイクリン
千葉大学と浜松ホトニクスの研究チームは、感染症治療に使う抗生物質『ミノサイクリン』に、覚醒剤の使用で起きる脳機能障害を回復させる効果があることを突き止めた。

覚醒剤を使うと脳が傷つき、使用を止めても幻覚妄想が起きる。
  • これまで対症療法しかなかったが、研究チームは症状の改善や社会復帰を助ける可能性があるとみている。

覚醒剤は脳内で神経伝達物質ドーパミンを過剰に放出した状態に保ち快感を生み出すが、一方で、神経細胞を傷つけ、薬物依存などを引き起こす。
損傷を治す薬は無く、幻覚などを一時的に抑える治療しかない。


橋本謙二教授らは覚醒剤を与えたサル10匹でミノサイクリンの効果を調べた。浜松ホトニクスのサル用PET装置で脳細胞の活動を測定したところ、覚醒剤を投与したサルでは脳の機能が40%まで低下したが、ミノサイクリンを投与すると78%まで回復した。
ミノサイクリンは、パーキンソン病 など神経変性疾患で改善効果が報告されている。橋本教授らは米エール大学と共同で米国の中毒患者を対象に臨床試験を実施する。」2006.7/7《日本経済新聞》






アミロイド線維を調べる
2016年、量子科学技術研究開発機構や鳥取大などのチームが報告。


パーキンソン病は中脳の黒質の細胞で「α-シヌクレイン」と呼ばれるタンパク質が線維状に集合してアミロイド線維を形成する結果、脳機能に障害が生じ手足に震えや歩行困難になるとする見方が有力。


なぜ、線維状に集合するかは不明。


人のα-シヌクレインを試験管内で合成し、水溶液を体温程度にして数日ゆらし続けると、アミロイド線維に似た状態になる。

研究チームは、大強度陽子加速器施設「J-PARC」で中性子ビームを当てて調べた。その結果、α-シヌクレインは線維を形成した方が安定することが分かった。




(副作用でパーキンソンになる医薬品)

「アナフラニール」「アモキサン」「アルドメット」「カルスロット」「グラマリール」「コントミン」「コントミン」「セレネース」「テトラミド」「デパケン」「トフラニール」「トリプタノール」「トレドミン」「ニューレプチル」「メキシチール」「リスバダール」「ルジオミール」「レセルピン」「ロドピン」
(パーキンソンに使用不可)

以下の抗精神病薬は(ドパミン受容体遮断作用があるため)使えない [スペピロン][スルトプリド][チミペロン][ネモナプリド][フルフェナジン][ハロペリドール][フロロピパミド][プロムペリドール][モサプラミン]


以下の薬は(中枢性コリン作動作用があるため)使えない
[アクラトニウム][カルプロニウム]





発症メカニズム
α-シヌクレイン
  • 脳内にタンパク質「αシヌクレイン」が何らかの理由でたまり、その影響でドーパミンを出す神経細胞が死滅し発症するというのが主流の考え方。


ドーパミンを作る「ビオプテリン」に障害・・・・


2014年東京工業大学の一瀬宏教授らが解明。

パーキンソン病は神経変性疾患の1つで、脳内のドーパミン量が通常の30%以下になると発症するとされる。


ドーパミンは体内で合成する「ビオプテリン」(補酵素の1つ)と呼ぶ物質がアミノ酸に働いてつくる


研究チームは、
ドーパミンが減る理由の1つがビオプテリンにあると思い、マウス実験で検証した。


神経毒をマウスに与えると徐々にドーパミン量が減ってパーキンソン病の症状が現れた。

神経毒注入の1時間後にマウスの腹から1㍉㌘のビオプテリンを投与し、その後1時間後に毒を流入するというサイクルを繰り返し、24時間後の様子をテスト。

毒を与え続けたマウスではドーパミン量が80%減少した。

ビオプテリンを投与すると50%にとどまった

正常なマウスにビオプテリンを与えてもドーパミンは増えない。


ビオプテリンはすでに、体内で合成できずに障害を引き起こす「フェニルケトン尿症」の治療薬として認可を受けている




パエル受容体
原因タンパク質を突き止めた



理化学研究所と順天堂大学の共同チームは、脳に蓄積してパーキンソン病をひきおこすと見られる原因タンパク質を突き止め、29日付けの米科学誌「セル」に発表した。
理研脳科学総合研究センターの高橋良輔チームリーダー、順天堂大学医学部の水野美邦教授、服部信孝光子らが特定したのは「パエル受容体」と呼ばれるタンパク質。このタンパク質が、脳内の分解酵素である「パーキン」によって効率的に分解することを確認する。
逆に分解されずに神経細胞に溜まると細胞死を起こすことを発見した。

また、遺伝性パーキンソン病患の脳組織に、パエル受容体が通常より10~30倍多く含まれていることを実際に確認した。

これまでパーキンを作る遺伝子に異常があると病気が起きる事は分かっていたが、パーキンが分解するタンパク質がどれかが判明していなかった。
一方、水野教授らは米ハーバード大学と共同で、パーキンが遺伝性パーキンソン病と関連する別のタンパク質を分解することを確認し、同日付けの米サイエンス誌に発表した。
パーキンソン病はアルツハイマー病についで患者数が多い神経変性疾患。日本では1000人に1人、計12万人の患者がいるとされている。






(レム睡眠行動障害)
米メイヨークリニックの研究者らは、RBDいう病気の患者がパーキンソン病などの退行性脳障害になりやすいという報告をまとめた。
11年間の追跡調査で、患者の2/3がパーキンソン病やレヴィー小体認知症にかかっていた。





未熟な神経細胞が成熟
「東京医科歯科大学の田賀哲也教授らの研究チームは、脳内の未熟な神経細胞が、情報伝達の手助けをする細胞に成熟するのを促す手法を開発した。この手法を応用して患者の脳内に成熟細胞を移植できれば、パーキンソン病など神経伝達の障害がもとで起きる脳神経の病気全般の治療に道を開く可能性があるという。
財団法人がん研究会の宮園浩平・生化学部長らとの共同研究。成果は16日付けの米科学誌サイエンスに掲載された。
研究チームは


未熟な神経細胞が成熟するには、特定の2つの刺激を同時に受ける必要があることを発見

これまで細胞は1つの刺激で成熟が進むと考えられており、学会の常識を覆す画期的な成果だという


成熟細胞が骨の成長を促す『BMP2』と受精卵が子宮に着床するために必要な『LIF』という2種類の生理活性物質であることを突き止めた。

未熟な神経細胞にこれらを与えると、成熟細胞に変わることを確かめた。

MCV運動神経伝導速度
  • ・正中神経(46~72m/sec)
    ・尺骨神経(46~72m/sec)
    ・脛骨神経(40~67m/sec)
    ・腓骨神経(42~64m/sec)
    ・腓腹神経(53~63m/sec)




(検査)
パーキンソン病の特徴は、
  • CTやMRIなどの画像検査では脳に異常が見つからないことです。

以下の検査を併用して調べます。

  • CT(コンピュータ・トモグラム)
    • 人体を横にした断層面が見える。
    • 主に脳血管障害屋脳内の病変を見つける検査
  • MRI(磁気共鳴検査)
    • パーキンソン病と症状が似ている多発性脳梗塞や線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺などのパーキンソン症候群でないことを確認する。
  • MRA(磁気共鳴血管造影)
    • 動脈硬化のレベルを調べます。
    • パーキンソン病は、動脈硬化性パーキンソニズム(パーキンソン症候群の1つ)などに比べて、動脈はキレイなことが多い。
  • SPECT(脳血流シンチグラム)
    • パーキンソン病では脳の血流に異常は見られません。
    • 動脈硬化性パーキンソニズムでは、脳内のあちこちで斑点状に血流の低下が見つかります。
  • PET (陽電子放射断層撮影)
    • 脳の血流や、代謝、神経伝達、受容体機能などが分かる検査。
  • MIBG(心筋シンチグラム)
    • 心臓交感神経の障害を判定する検査。
    • パーキンソン病の神経変性に伴う自律神経障害などの評価に使います。






電気で刺激
電気治療が効果


「難病に指定されている「パーキンソン病」の患者に対し、和歌山県立医大脳神経科(板倉徹教授)が、電気で脳を刺激することで筋肉の緊張をゆるめる治療法を導入、高い成果をあげている。

従来の治療法より安全性が高く副作用もないという。

パーキンソン病は、脳の中でドーパミンという物質を出す細胞が死ぬことで起きる
原因は不明で、筋肉が硬くなったり、手足が震えて歩きにくくなるなどの症状が出る。1000人に1人の割合で患者がいるといわれ、中高年層の発症率が高い。
県立医大の治療法は「脳深部慢性電気刺激」といわれ、筋肉の緊張や姿勢と 保つ脳内部の「淡蒼球」に白金製の電極(直径約1mm、長さ1cm)を埋め込む。
電極は胸部に埋め込まれた受信機に通じており、この受信機が外部からの電波をキャッチ、電極に電気を送って脳を刺激。淡蒼球が麻痺状態となることで、 筋肉が軟らかくなるという。

微弱電流で

パーキンソン病の運動症状などを、微弱電流を流すことで改善することを東京大学の山本義春教授(教育生理学)、郭伸助教授(神経内科学)らの研究チームが実験で確認し2005年8月号の米神経学会誌に発表。


強さがでたらめな微弱電流で脳を刺激すると、神経の電気信号が微弱電流で強められる『確率共鳴』という現象が起き、低下していた脳の情報処理機能が改善されたと見ている。
脳の薬が効かない症状も改善した。体への負担が少ない治療法として実用化を期待できる。
実験では、症状が重いパーキンソン病などの患者15人の耳の後ろと額に電極をつけ、微弱電流を額の方向へ流して、姿勢の制御に関わる前庭神を24時間刺激し続けた。その間、体に装着したセンサーで体の動きと心拍を記録した。
患者は動作が鈍かったり、動作を始めるとなかなか止まらないなどの運動症状があるが、電気刺激を受けている間はこうした運動症状が改善することが分かった。
さらにパソコン画面に特定の図形が表示されたらボタンを押すテストで、表示からボタンを押すまでの時間が、
  • 刺激を与えなかった患者・・・・0.6~0.65秒
    刺激を与えた患者・・・・・・・・・・平均0.05秒
早くなった。



多系統萎縮症(MSA
という神経疾患の患者の場合、運動症状に加えて、内臓の働きを調節する自律神経に障害があるため心拍のパターンに異常が認められたが、電流で制御している間は健常者のパターンを示した。



脳深部刺激療法(DBS

DBSは脳の深部に極細の電極、胸部に電流発生装置をともに埋め込み、電気刺激を持続的に与える治療法。
神経細胞の働きを阻害し、
ふるえなどの症状を改善する。
DBSは脳の深部にある「視床」「痰蒼球」「視床下核」のいずれかに電極を差し込んで弱い電流を流す。その部位をマヒさせて異常な興奮を抑えるのがねらい。


2000年に公的医療保険が適用された。

対象はおもに75歳以下で、1日のうちでLドーパ製剤の効き目の変動が大きいとき、副作用で不随意運動が激しいとき。



2014年開設のニューロモヂュレーションセンター(広島市)。

「脳深部刺激療法」は、

パーキンソン病患者の脳に入れた電極から微弱な電流を流し、脳の異常な活動を抑え、運動機能を改善する。

電極療法が効く仕組み

2013年、自然科学研究機構生理学研究所の南部篤教授らが、DBS(脳深部刺激療法)で症状が改善するメカニズムを解明した。

成果は米国神経科学会誌(電子版)に掲載

パーキンソン病では脳の奥から手足の運動を司る大脳皮質へ情報伝達がうまくゆかずに、手足が動かしにくくなり、ふるえるなどの運動障害が出るとみられている。

直接の原因は神経伝達物質のドーパミンを作る神経細胞が減るために起こる。

ドーパミンを薬で補充して治療するが、進行すると効果が出にくい。

実験で、
  1. 健康なサルの脳に電気刺激を加えると神経伝達物質のGABAが出てくる現象を見つけた。
  2. 神経細胞が出す誤った信号をGABAが遮断し、手足のふるえを抑えていた。

GABAの作用を抑える薬を入れると治療効果が無かった。

実験用電極は淡蒼球内節と呼ぶ部分に埋める。

iPS治験  

2017/02/03京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授は、医師主導の臨床試験を2018年に始める。




イブプロフェンがパーキンソン病を予防
イブプロフェンがパーキンソン病の発症リスクを38%抑制する。
  • 米ハーバード大学ブリガムアンドウィメンズ病院のXiang Gao氏らが報告。
  • Neurology2016年3/2オンライン版




ヘモグロビンが・・
2009年、理化学研究所のオミックス基盤研究領域のピエトロ・カルニンチ・チームリーダーらの研究グループは、

全身に酸素を運ぶためのタンパク質『ヘモグロビン』が、なんと、赤血球だけでなく脳の神経細胞でもつくられ、働いていることを突き止めた。


酸素の量を調整して神経細胞を保護しているという。



研究グループは遺伝子の働きを調べる独自の手法で、神経細胞がつくられる少量のヘモグロビンを初めて確認した。
人とマウスの神経細胞のうち、ドーパミンという神経伝達物質を作り出す細胞を調べた。この細胞が死滅すると手足のふるえや筋肉の硬直など、運動機能に障害がでるパーキンソン病を引き起こすとされる。




マウスを使った実験で、神経細胞にヘモグロビンを過剰に作らせて働きを見た。

神経細胞は酸素が多すぎても少なすぎても損傷を受けるが、ヘモグロビンが適正な酸素濃度調整していることが分かった。

“ヘモグロビンは酸素を一時的に蓄えて酸化ストレスを減らして、細胞死を防いでいるのではないか?”(カルニンチ・チームリーダー)神経疾患の一種であるパーキンソン病の治療法に道が開けるかもしれない




ノウリアスト(一般名:イストラデフィリン)

2013年、協和発酵キリンが製造承認を取得。

脳内の「アデノシン」という神経伝達物質の働きを抑えて、症状を改善させる薬。


ジェイゾロフト・・・・抗うつ薬が抑制

2012年、東北大学の長谷川隆文助教らは、抗うつ薬「セルトラリン」(ジェイゾロフト)が神経の難病で運動障害が起きるパーキンソン病の進行を遅らせることを突き止めた。


パーキンソン病は神経変性疾患で、手足のふるえや筋肉のこわばりなどの運動障害、嗅覚低下や認知症なども起きる

脳の細胞では、毒性があるαシヌクレインという異常なタンパク質の蓄積が多くなっている。

研究チームは、異常なタンパク質を神経細胞に取り込むときに働く、別のタンパク質(ダイナミン)に着目。


ダイナミンの働きをセルトラリンがさまたげることを細胞実験で確認した。

培養した細胞にふりかけたところ、神経細胞の死滅を防げたという。



サフィナミド
  • 2017年4月、パーキンソン病治療薬の販売権をエーザイが取得。
  • サフィナミドはイタリアの製薬会社が開発した。
  • サフィナミドは分泌されたドーパミンを分解する酵素の働きを抑える。
  • レボドパとの併用により、薬の効果が長く続いたり、運動機能が改善したりする。




抗パーキンソン病薬投与時のジスキネジア
この病態は、神経内科専門医なら数多く経験している状態である。従って、もしパーキンソン病患者が治療薬剤投与中に以下の症状を呈したら、専門医に相談すべきである

ただし、ジストニアが重症で悪性症候群に進行する可能性がある場合は、緊急に対処する事が必要であろう


1)早期発見と早期対応のポイント

パーキンソン病で医師の治療を受けている患者は、常にこの副作用が出現する事を念頭において、経過をフォローしている事が早期発見のポイントである。患者自身は、軽い舞踏運動、ジスキネジアがあったほうがかえって動きやすいと感じる事も多く、本人の訴えとならないこともある。外来受診時に時々家族に、おかしな動きをしていないかと尋ねるのも早期発見の良い方法である。

2)患者・家族指導の注意点


患者・家族は、薬によるジスキネジアと病気自身による症状・levodopaとの関連で出る症状の変動などとの区別が出来ないこともあるので、区別が付きにくい時は、ビデオをとってきてもらう・医師自身が自ら観察する必要がある場合もある

[患者指導の実際]

抗パーキンソン病薬を使用中に、
  • “おかしな動きをするようになる”
  • “動かそうとすると余計な、不自然な動きを伴う”
  • “落ち着きなくいつも動いている”
  • などの症状に注意するように指導する。
  • これらの症状は、薬が充分効果を示している時・薬が切れかかっている時や効果出始めの時に、出現することがある。これらの症状が出現したときは、医師に相談すること


[患者家族等への指導]

今から説明する副作用は、誰にでも起こるというものではないが、服用中の患者が“おかしな動きをするようになる”、“動かそうとすると余計な、不自然な動きを伴う”、“落ち着きなくいつも動いている”などに気づいた場合は、薬の副作用の可能性もあるので、すぐに医師に相談してもらうように指導する

この副作用は必ずしも非常に悪いことではなく、心配がいらないこと、患者自身がそれほど気にならないこともあることを説明しておく




NO(一酸化窒素)が役立つ?
2013年、パーキンソン病の治療に、体内にある一酸化窒素(NO)が役立つ可能性があることを奈良県立医大や京都大学、三重大学のチームが突き止め、英科学誌サイエティフィック・リポーツ(電子版)に発表


パーキンソン病は、不要な物質を分解する「パーキン」が働かなくなり、神経細胞が不要物質により傷つけられて発症すると考えられている。


NO
パーキンの働きを良くし、神経細胞を保護することが分かった



奈良県立医大の小沢健太郎准教授らは、ヒトの神経細胞から培養した細胞にNOを加えると、細胞内にある特定の不要物質の分解が、加えない場合の約2倍促進されることを解明


一方、NOを長時間加え続けるとパーキンの働きが低下。これはNOが別の物質に変化し、パーキンを働かさなくするためだと分かった




ミトコンドリア
2017年、順天堂大学の服部信孝教授と今居謙先任准教授らは、パーキンソン病の症状を和らげることにショウジョウバエを使った実験で成功。
エネルギーをつくるミトコンドリアの働きを抑えると、神経や筋肉の変性を抑えることができた。

(CHCHD2)
CHCHD2と呼ぶ遺伝子に異常があるとパーキンソン病の発症につながる。
CHCHD2(遺伝子)が無いショウジョウバエは、細胞内でミトコンドリアに異常が生じ、神経や筋肉の細胞が変性した。

ミトコンドリアは膜に埋め込まれた酵素に電子を流し、エネルギーをつくる。

CHCHD2が無いと電子が膜から漏れ出し、細胞をキズつける活性酸素ができることが分かった。酵素群に電子を受け渡す電線のような役割をしていた。

(4E-BP)
CHCHD2が無いショウジョウバエで様々なタンパク質を増やし、効果を調べた。
ミトコンドリアの働きを抑えるタンパク質「4E-BP」を増やしたところ、パーキンソン病の症状が改善した。




Lドーパをチューブで直接空腸に投与する方法
内服で効果にオン・オフが出て、オフには動作が困難、オンには効き過ぎて「ジスキネジア」(不随意運動)が出やすい患者向けに登場した手法。

薬剤が一定のペースで約16時間供給される。

胃に管を通すための「胃ろう」の手術が必要がある。




新しい治療法
ネクジン(タンパク質の一種)を作る遺伝子を導入


2016年、大阪大学の望月秀樹教授らは、ネクジンを作る遺伝子をマウスの脳の神経細胞を導入すると、神経細胞の機能を維持できることが分かった。 成果はネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)


研究チームは先ずマウスの神経の培養細胞にパーキンソン病を引き起こす薬物を与えた上で、ネクジンを作る遺伝子をウイルスのベクターで導入した。

遺伝子を導入しない細胞は、死んだり、パーキンソン病の特徴である細胞内の小器官のミトコンドリアの機能が落ちたりした。

一方、遺伝子を導入すると細胞死や機能低下を防げた。

神経細胞内のミトコンドリアの働きを促す「PGC-1α」(タンパク質の一種)がネクジンを助けていた。










    
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